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スリッパ

スリッパ

affordanceの革小物では珍しいラインになるスリッパ。革のスリッパを使っている人はどのくらいいるのだろう。革といえば秋冬あたり、寒いころに登場するイメージをもつ人も多いようで、厚手のニットに上着を羽織って、革かばんを斜めにかけて家を出る。でもお財布は革のものを使用している人の方が多く、それは年中変わらないはず。そこで、革のスリッパは春夏にも向いているのか.....実は革は吸湿性が高く、汗を吸ってくれるので暑い季節こそ裸足で気持ちよく履くことができる。もちろん厚手の靴下を履いたうえに革のスリッパを履くと、底冷えする寒さがかなり和らぐので、秋冬にもとても重宝します。

そしてなにより、革の特徴である馴染む、使う人によって変化してくる、という点にも非常にマッチしていて、履き続けていくうちにその人仕様になるから、どんどん履いてどんどん履きこなしていってほしいなと思う。affordanceのスリッパは甲の部分がしっかり長くて足を包み込んでくれるから、履き始めから案外パカパカしない。それに日に日に足に馴染んでくれて、どんどん歩きやすくなる。工房で作り手が1年半履き続けたスリッパは、経年変化でやわらかくなり艶も出てきた。家のキッチンに立って料理したり掃除したり、家事のときに履いている人のスリッパはまた違った変化を迎えていて、もはや最初の色味が想像できないくらいになっている。使う人によって味の出方が違うのも革小物の特徴であり、それが最大限感じる事ができるのがスリッパなのかもしれない。

そもそもこのスリッパは、日々革かばんや革小物を作るにあたって大量に出てしまう端切れの有効活用を考えたところできた商品。兵庫県のタンナー(製革工場)につくってもらうaffordance独自の革は半裁という裁断方法で、イタリアなどの革の売り方と違い、一頭の半分をそのまま背中で割っているために、上等なきれいな部分だけ、というわけにはいかない。部位によっては伸びが生じて負荷のかかるバッグやストラップには使用できず、残念ながら商品にならず処分されることも多い。ただ、ダメな生地、というわけではなくて、伸びてしまわないような商品、つまりひっぱることのない商品ならば活躍の場がある。せっかくいただいた命を無駄にしない、大事にしたいという思いからできたのがこのスリッパということで、実際には中敷きの部分に端切れが活用されている。スリッパの中敷き部分だと、上から踏む力がかかるのみだから、ひっぱって伸びてしまうということはない。

それに革製品のいいところは修理、メンテナンスを重ねて永くつかうことができる。下の写真は、修理依頼で届いたaffordanceのスリッパ。8年ほど履いたそうで、写真でも分かる通りかなり使い込まれている。

作り手：ここまで使ってくれるとは...ほんと嬉しい。
また喜んで使ってもらえるようにしっかり修理したいなと思いました。
甲の部分はまだまだ使えたから、穴が開いていた底と中敷き、かかとを張り替え修理した。まだまだ使っていただけそうです。